角字とは、江戸時代に誕生した、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。

正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。

直線を多用したそのデザインは、一見質素で、ともすれば地味になりそうだと思われますが、職人たちが長年にわたり研鑽、洗練したおかげで、江戸時代の日本人が持っていた「粋」と呼ばれる美意識と遊び心が結晶した、美しいアート書体として、今日まで伝えられてきました。

There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only. The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.