黄檗 黄膚 キハダ 角字で花と植物の名前、漢字表記

黄檗 黄膚
キハダ
英語:Amur Corktree アムールコークツリー
Unicode:
[黄_0x9EC4][檗_0x6A97]
[黄_0x9EC4][膚_0x819A]
ミカン科キハダ属の落葉広葉高木で、北海道から九州までの広い範囲に分布、山地のみならず平地の林縁や明るい林内に生じ、水辺近くで特に多く生育しています。
日本のほかは、中国、ロシア(ウスリー、アムール)及び朝鮮半島にも分布します。なお、日本に自生するキハダ属の樹木は本種のみです。
別名オウバク、キワダ、シコロ、ヒロハノキハダ。
樹高20mを超える大木となり、幹の直径は最大で1m程になります。
幹の下にある内皮が黄色いことからキハダと命名されました。若木の幹は滑らかで幾分、黄色がかっているますが、成長するとコルク質が発達してボコボコになります。
内皮はベルベリンという物質が含まれ、非常に苦味があり、「黄檗(黄柏)」の名で知られる生薬です。
これにアオキの葉を加えて煮詰めたものが胃腸薬になるとされ、「陀羅尼助」「練熊」「御百草」「熊胆」などの名称で各地に伝わっています。また、かつては湿布薬にも使われ、打ち身や捻挫に効果があるとされました。
一本のキハダから十分な黄檗が採れるようになるまでは、20年がかかります。生薬の中でも栽培期間がとても長い植物です。江戸時代には重要な薬用樹として保護されていましたが、明治になって乱伐が進み、個体数が激減しました。
また、内皮は衣類の染料として飛鳥時代から使われ、和紙をキハダで染めた黄檗紙は防虫効果があるため戸籍、写本、写経に使われました。
晩夏から初秋にかけて直径1cm程の果実が実ります。特有の芳香と苦味がありますが、まれに甘いものもあり、生食できます。ヒヨドリ、ツグミ、アカハラ、シロハラ、マミチャジナイなどの野鳥の大好物で、庭に植えておくと集まってきます。
材は優良で、艶があって美しく、ケヤキに似た色味や光沢が好まれて建材、家具材、江戸指物などの工芸品に使われます。
育て方は、日当たりと水はけがよく、適度に湿り気のある場所を好みます。半日陰程度なら十分に耐え、丈夫に育ちます。自然界では山地の谷筋など湿気のある場所に自生し、肥沃な土地を好みます。
成長は早いですが、黄檗が採れるようになるまでは20年かかります。移植も簡単で、ほとんど手がかからない樹木ですが、樹高20mを超える大木となるため、植える場所は考慮する必要があります。枝の出方が粗いため、観賞用には適していません。
天敵は鹿です。苗木を植樹した際、鹿の生息地だと大抵食べられます。食害を防ぐために防護柵や囲いを付けるなど対策が必要です。
用土は、肥沃な土を好むため、植え付けの際に、腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んでおきます。
水やりは、湿潤を好むため、極度に乾燥しないようにします。基本は降雨だけで問題ありませんが、夏場に日照りが続くようなら、たっぷりと与えましょう。
施肥は、寒肥として有機質(油かすや完熟堆肥など)の肥料を株の周りに施します。
角字とは?
江戸時代に誕生した角字は、正方形のグリッド内にほぼ水平・垂直のラインのみで文字(漢字)が表現されるグラフィックアートです。
正方形という限られた空間の中に、あらゆる文字を閉じ込めようとするグラフィックデザインは、前述した、ミニマムな物に対する日本人特有のこだわりが随所に感じられます。
そのシンプルで有りながら、奥深い「角字」は多くの日本人を魅了し、お祭りで着る半被や印半纏(しるしばんてん)と言われる着物や、商標、印鑑、家紋、看板デザインなどに今日まで数多く使用されてきました。
What is Kakuji?
There is a style of penmanship called “Kakuji” in Japan. Edo-born Kakuji is a graphicart that expresses letters (kanji) with almost horizontal and vertical lines only.
The design which bases on many straight lines seems simple, or too plain even at its first glance; yet this beautiful artistic penmanship that encompasses the aesthetic of the Japanese in the Edo era, also known as “Iki”, and playfulness has long been inherited to this day, thanks to the masteries’ long years of efforts in training and refinement.
Kakuji with its simplicity and depth is used for designs such as trademark, hanko stamp, family crest and signboard.